む、そうなのか。<br><br> でも、確かにずっと保護してはくれないよな。<br><br> お金の問題とかもあるし。<br><br><br><br> 遭難から生き残れたことを安堵していたけど、これからが大変みたいだ。<br><br> 異世界から帰れるのかどうかもわからないし。<br><br> 魔物とかいう単語は、気になる。<br><br><br><br> それに、ステータスとかスキルとかよくわからん。<br><br> 色々教えてもらわないと。<br><br> 何より、重要なのが。<br><br><br><br>「言葉って通じるの?」<br><br>「それが、この神殿のすごいところですぞ! この神殿では、自動翻訳の魔法がかかってまして」<br><br>「へえ、それは便利な」<br><br>「異世界人をここに運ぶのは、そのためだってよ」<br><br> たしかに、言葉がわからないと話にならないからな、文字通り。<br><br> しかし、自動翻訳魔法か。<br><br> 異世界進んでるな!<br><br><br><br>「ただし、ここの神殿を出るときには、異世界語を覚えないといけませんぞ」<br><br>「そ、そっかぁ」<br><br> 世の中甘くない。<br><br> 話してるうちに、神父の部屋の前に着いた。<br><br><br><br>「スキルの話は一人で聞くことになってるそうですぞ」<br><br>「高月ぃー、あとでどんなスキルか教えてくれよ」<br><br> 北山が、にかっと笑って肩をたたいてくる。<br><br><br><br>「じゅあ、行って来るよ」<br><br> ノックをして部屋に入った。<br><br><br><br> ◇<br><br><br><br><br><br>「失礼します」<br><br> 部屋に入ると恰幅のいい神父らしきひとが大きな机の前に座っていた。<br><br> 隣にシスターらしき細身の美人な女性が立っている。<br><br> ニコニコした神父さんとクールビューティなシスターだ。<br><br><br><br>「こんにちは、異世界の人。体調はいかがですか」<br><br>「はじめまして、高月といいます。体調は......悪くないと思います」<br><br>「そうですか。辛くなったらすぐ教えてください。ところでお友達からここの場所については、何か聞きましたか?」<br><br>「少しだけ」<br><br>「なるほどなるほど。では、説明しますね。急な事で驚くかもしれませんが、ここはあなたがいた世界とは異なる世界です。ご家族と会えず不安でしょう。しかし、ご安心ください。我々は、あなた方が自立できるまで最大1年間は無償で支援します」<br><br> それはさっき、ふじやんから聞いた話だ。<br><br><br><br>「えーと、僕らは元の世界に戻れないんですか?」<br><br> 神父さんの表情がさっと曇った。<br><br> あれ? 変なこと言ったかな。<br><br><br><br>「その話を聞いていなかったのですね。高月さん、あなたはこの世界に来る前に死に直面していましたよね?」<br><br>「え、ええ。そうです。雪山で遭難してました」<br><br>「そうですよね。それはご友人の皆さんも同じはずです。そして、異世界に来る人の条件、これは元の世界で死んでしまうことなのです!」<br><br><br><br>「え?」<br><br> なんだって!? じゃあ、俺は死んだってこと?<br><br> 驚愕の表情を浮かべたのを見て、神父さんがにっこり微笑む。<br><br><br><br>「しかし、ご安心ください。この世界の神様は非常に慈悲深い。若くしてお亡くなりになる前に、みなさんを、この世界へ転移してくださったのです!」<br><br> 神父さんは大げさなポーズを取る。なんか慣れてる感じだ。<br><br><br><br>「へ、へぇ。そーなんですね」<br><br> つまりあれか。<br><br> 結局死んではいないってことか。<br><br><br><br>「ちなみに、元の世界に戻ることはあなたが死んでしまうことを意味します。それは困りますよね」<br><br>「ハイ、そうですね」としか言えない。<br><br><br><br>「それでは生きていくために、前向きな話をしましょう。スキルの話は聞いていますか?」<br><br>「えーと、さっき友人から少し。でも、詳しくは知らないです」<br><br>「よろしい。では、お伝えしますね。あなたはこの世界に来た時に『固有スキル』が与えられているはずです。具体的には『魔法使い』スキルや『剣士』スキルが有名ですね。これが強いか弱いかで今後の人生が左右されるといってもいいでしょう!」 ...
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