「ダメだよそこはジェームズくんっせっかくのあんこが灰だらけになっちゃうよぉぉぉ!!!!」 ハッ、という風に目が覚めた。あれ?何の夢を見てたんだっけ?<br><br>うーん、というふうに伸びると、身体中がほぐれていく感覚。いつの間にか寝ちゃってた。 目の前には畳みかけのバスタオル。何で?えっと、そうか。家事の途中だ!!<br><br>「わああああもうこんな時間!?ダメじゃない織姫!しっかりなさい!!」<br><br>急いで洗濯物を畳んで、箪笥に入れる。 干してあったお布団を入れて、ベッドメイク。お日様の匂いがするお布団、ダメよ織姫、せっかくふんわりしてるお布団に仕上がってるんだから、飛び込んではダメよ!<br><br>「・・・?あれ?」<br><br>桜の花びら。お布団に紛れ込んでお家の中に入ってきてしまったらしい。そうか、もうこんな時期なんだ。 桜といえば、桜の塩漬けがのっかったケーキとかもうすぐ出るかな!?あっそれよりも桜の塩漬け入りのお饅頭食べたいなぁ・・・!!あんこと桜ってとてもおいしそう!今度買いに行こうかな!<br><br>「ああっだからこんな事してる場合じゃないのよ織姫!!早く晩ご飯の用意しなきゃ!」<br><br>ドタドタと家の中を走り回るなんて、なんてはしたないの織姫!でもしょうがない、急がなきゃ!<br><br>たつきちゃんにさんざん叩き込まれたお料理方法を暗唱。<br><br>そのイチ!おいしそうだと思っても、料理は作り方通りに作る! そのニ!あんこは調味料ではない! そのサン!ちゃんと自分で味見する!<br><br>今日は野沢菜の辛子明太子和えと、チーズフォンデュにしよう!<br><br><br><br>「・・・よし!完成!」 ちょっとばたばたしちゃったなぁ。うーん、もうちょっとゆったりしてても良かったかも・・・あー寝そう・・・せめて、お帰りって言いたいのに・・・<br><br>ガチャ 「ただいまー」 「ふわぅっ!!!!」 ああ、吃驚した、危ない危ない!寝そうになってた!<br><br>向こうで笑い声が聞こえる。ああ、恥ずかしい!でも、お帰りって言いに行かなきゃ・・・。<br><br>玄関から、こちらに向かってくる足音。ああ、まだ顔が赤いの引いてないのに!そう思っても、時間は止まってくれなくて。 「何だよさっきの声。こっちがびっくりしたっつーの」 「だって・・・ちょっと寝かけてたんだもん・・・」 「はいはい、土産」 「へ?・・・おおおお!!コレは伝説の和菓子屋さんのロゴ・・・!!!」 「あー腹減ったー・・・早く食べようぜ」 「あっちょっと待って!」 「ん?」<br><br><br>「お帰りなさい、一護君!」 「ただいま、織姫」<br><br><br>夕食もちゃんと出来てる、けど、お帰りなさいのキスもちゃんとしたいなって。 ...
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