地図については、一枚の大判の紙上に印刷されたいわゆる一枚刷りの図があらわれたのは寛永のころからで、京都図、江戸図、日本図などが知られている。そのうち日本図の最初のものは寛水元年(一六二四)刊行の「大日本国地震之図」で、動けば地震を起こすという龍が国土をめぐっている構図は、前に述べた金沢文庫所蔵の図を思い出させる(ロ絵参照)。そこに描かれた日本は中世のままの古い行基図で、そのまわりに地震占いなどの俗信を記していることは、この図がすでにひろく民衆を対象とするものだったことを物語っていて興味深い。これに似た図は十七世紀末の伊勢暦にものせられ(図4)、また民間の俗信を集めた雑書の類にも入れられて幕末にまで及ぶのである。
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