「魔獣が入ってきたぞ!!」<br><br>「従者は武器を持て!! 騎士を呼べ!!!」<br><br><br><br>(あ、やばい。騒ぎになったぞ)<br><br><br><br> 館から出てきた使用人に説明すれば何とかなると思っていたが、武装を始めたので、慌てて対応する。ホワイトディアを背負っていて、上からだとアレンが見えない状態であった。横にゴロンと降ろす。そして、アレン自身が見えるようにした。<br><br><br><br>(いや、くそ重かった。このレベルだと1人で運ぶのはつらいな)<br><br><br><br> ズウウウウン<br><br><br><br> 地響きと共にホワイトディアが庭先に置かれる。あまりの重さから、庭の土がその重量で波打つ。<br><br><br><br> 二階からのぞき込んでいた者も、館から出てきた者も、固まってしまった。<br><br><br><br> 言葉が出ない。というより何が起きたか頭がついていけない。真っ白な魔獣が門からゆっくり入ってきたと思ったらアレンになったという状態だ。<br><br><br><br> 普段魔獣を見たことがなく、腰を抜かした者。呆然とする者がいる中、<br><br><br><br>「あ、アレンか?」<br><br><br><br> 執事が状況を確認するため庭先に出てくる。<br><br><br><br>「はい、アレンです。ただいま戻りました。トマスお坊ちゃまの命により、ホワイトディア確かに捕えてまいりました」<br><br><br><br> 騒ぎになったので、言い訳を速攻で行う。あくまでも命に従っただけだと。トマスの名前をこれでもかと強調する。<br><br><br><br> ハッとする執事は何かを思い出したようだ。数日前に行われた晩餐での会話だ。誰も本気だと思っていなかった。聞き流してしまった。だがアレンは出来たらやりますなどとは言っていなかった。ただ静かに、捕まえてくると、そう断言していたではないか。<br><br><br><br> 髪はとうに白くなり齢60を近くして、もう驚くことが無くなったはずの執事だが、アレンがやってきてからというもの、これまで積み重ねてきた常識が崩壊していくようだ。<br><br><br><br> 常識と一緒に体まで崩れてしまわないよう必死に耐えていると、<br><br><br><br>「な、何事か! 騒がしいぞ!!」<br><br><br><br> グランヴェル男爵も出てくる。こ、これは......と言葉を詰まらせ、他の人たちと同じように、扉の先で固まってしまう。執事と同じ状況だ。<br><br><br><br>「なんでえなんでえ、騒がしいな!」<br><br><br><br> 今度は口調の荒い料理長が1階の厨房から出てきた。もう晩餐が始まる時間だ。<br><br><br><br>「こ、これはホワイトディアじゃねえか!」<br><br><br><br> ワナワナしながら料理長が近づいていく。声が歓喜に満ちている。丸ごと1体のホワイトディアを見たことはないのかもしれない。<br><br><br><br>「一応血抜きはしたのですが、それ以外の処理は何もしていません」<br><br><br><br> 料理長に説明をする。<br><br><br><br>「そうか、最低限の処理といったところか。内臓は早めに抜いたほうがいいな。おいバンズ、何してる、こっちこんか!! 残りは晩餐の準備をしろ!!!」
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