รูปร่างคล้ายกลับ การแปล - รูปร่างคล้ายกลับ อังกฤษ วิธีการพูด

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夏休みと言えばラジオ体操。ラジオ体操と言えば朝早いのが定番だが、あくまでもそれは放送時間が朝6時25分と早いからである。俺の場合、ラジオ体操の音源をCDで購入しているので何時でも良いわけだ。(体操後は姉さんにスタンプを押してもらうシステム)そもそも高校生にもなってラジオ体操をやっているのもどうかと思うが、とはいえ夏休みのお約束である。俺はテンプレを愛する男、九重雪兎であった。<br><br><br><br> 朝、起きた後、幻のラジオ体操第3で身体をほぐした俺だが、今は緊張で身体が強張っている。これがデートの待ち合わせだったら心も弾むのかもしれないが、んなことぁない。むしろ、学校内においては俺を目の仇しているかもしれない相手との邂逅だ。時間ピッタリに馴染みのある姿がやってくる。<br><br><br><br>「えー本日はお日柄もよく――」<br><br>「どうしてそんなに硬い挨拶なのですか?」<br><br>「ライバル同士じゃないですか俺達」<br><br>「違います! まったく貴方という子はいつも通りなのね」<br><br>「それで、どのようなご用件なんでしょうか三条寺先生?」<br><br>「学校外よ。そんなに意識しなくても良いわ。生徒にとって、教師というのはそんなに内外で切り分けられるようなものでもないと思いますが、少なくとも小言を言いたくて来てもらったわけではありませんから」<br><br><br><br> 三条寺涼香先生はブラウスにタイトスカート、ヒールという、ジャケットを着ていない分、学校内で見かける姿より幾分ラフな格好だった。傍目には仕事のできるOLにしか見えない。午前中、三条寺先生から駅前に呼び出された俺はいったいどんな話があるのかとビクビクしていたのだが、先生の表情は柔らかい。眼鏡越しの目も普段ほど厳しくは見えなかった。三条寺先生からスマホに連絡が来たときは驚いたが、内心ちょっと嬉しい俺です。<br><br><br><br>「ここだと話しづらいことだから、私の家に来なさい」<br><br>「うん、うん?」<br><br><br><br> 先生の家に俺が? 夏休みに? ひと夏の経験!?<br><br><br><br><br><br>‡‡‡<br><br><br><br><br><br> 遡る事1ヶ月前。<br><br><br><br>「まったく、あの生徒はなんなのかしら......」<br><br><br><br> 悩まし気に集めた資料をパラパラとめくっていく。今年の新入生はとんでもなく大物揃いだ。そして概ねそういう生徒が一同に集まっているクラスがある。1-Bだ。彼に隠れて目立たないが、他にも気になる生徒が沢山いる。そして何より、この学校きっての問題児、九重雪兎君。<br><br><br><br> 早くも学校中に名前が知られている。他校でも話題になっている。最も彼が悪いわけではない。問題児といっても彼は別に自分から何かを起こしているわけではない。一見すると人畜無害にしか見えないし、騒動の内容からしても、どちらかといえば被害者なのかもしれない。だから怒るに怒れない。こちらとしても気になってつい声を掛けてしまう、そんな生徒でもある。すると、資料の中に気になる文字を見つける。<br><br><br><br>「え......?」<br><br><br><br> 彼の通っていた小学校は、かつて私も赴任していた。彼は高校一年生で16歳。だとしたら彼はちょうどそのとき......。慌てて名前を確認する。だからといって名前が変わるわけではない。意味のない行動だった。しかし抑えられない。その可能性を拒否するかのように認識したくない。職員室の中、焦りを振り払うかのようにコーヒーに口を付ける。味がしない。<br><br><br><br> 中学時代も酷いものだ。これで良く道を踏み外さなかったと思う。そしてある可能性に気付く。もしかしたら、彼がそうなってしまったのは私が......。<br><br><br><br> どうして忘れていた? どうして気づかなかった? 失念していた。ずっと戒めとしてきたはずなのに。私自身が本心では目を背けてきた? 教師としての原点でもありトラウマでもある。しかしそれをトラウマというのは彼に対して最大の侮辱かもしれない。私が彼にそれを与えたのだから。<br><br><br><br> もう間違わないと決めた。そして、もしもう一度会えたなら、今度こそ心から謝ろうと思っていたのに。まさか今の今まで気付かなかったなんて......。<br><br><br><br> 彼の顔を思い浮かべて気付いた。そっか。一致しなかったんだ。あのときの彼の顔と、今の彼の顔がまるで一致しない。だから名前という最大のヒントがあるのに気づかなかった。あの日、私を見つめていた無表情な顔、感情の宿らない瞳。そしてなにより、彼はあれ以来、学年が上がるまで一切口を開かなかった。担任の私だけではなく、クラスメイトとも。<br><br><br><br><br><br> そ・し・て・責・任・を・感・じ・た・彼・女・、・〝・美・咲・〟・は・教・員・の・道・を・諦・め・た・。<br><br><br><br><br><br>‡‡‡<br><br><br><br><br><br>「大きくないですか?」<br><br>「三条寺家は代々教師の家系なの。父も母も叔母も叔父もよ。自慢というわけではないけれど、凄いわよね。プレッシャーだったりもするけれど。とにかく気にしないで上がりなさいな」<br><br><br><br> 都内の一軒家。それもかなり大きい。三条寺先生はお嬢様だった。意外な秘密が明らかになる。「バウバウ」玄関を通ると、大きなゴールデンレトリバーがとことこやってくる。吠えたりはしないまま身体を擦りつけられる。<br><br><br><br>「あら、犬吉いぬきちが懐くなんて珍しいわ」<br><br>「そのネーミングセンスはどうなんでしょうか?」<br><br><br><br> 犬吉を撫でてやると気持ち良さそうに鳴き声を上げる。九重家でもペットを飼おうか話し合いになったことがあるが、当時は母さんが忙しく、自分の世話もできない姉はペットの世話をできるような性格ではないことからお流れになった。俺は飼いたかったのに......。<br><br><br><br>「実はメスなの」<br><br>「可哀想な犬吉......」<br><br><br><br> 犬吉の悲しそうな目が俺に何かを訴えかけていた。<br><br><br><br>「さ、私の部屋に行きましょう。飲み物を持ってくるから少し待っていて」<br><br>「お、お邪魔します?」<br><br><br><br> 特に誰がいるというわけでもなく、返事も帰ってこない。普通、家庭訪問と言えば、先生が生徒の家に行くものだ。何故、逆に生徒の俺が先生の家にいるのか。それも担任ではない三条寺先生の家である。ある意味、敵地とも言えた。いつ地雷を踏むか分からない。<br><br><br><br> 三条寺先生の部屋は10畳ほどだろうか。広々として余裕がある。性格を反映しているのか、綺麗に整理整頓されていた。私物にうっかり触れるわけにもいかず、用意された座布団に大人しく座り周囲を見渡すことしかできない。そんな俺の緊張を尻目に先生がケーキと飲み物を運んでくれる。<br><br><br><br>「甘いモノは好き?」<br><br>「はい。唯一の趣味がスイーツ巡りなので」<br><br>「ふふっ。女の子みたいね貴方」<br><br><br><br> 普段はなにかと怒られている三条寺先生だけに笑顔が新鮮だった。三条寺先生はアルバムを取り出すと、目の前に置く。そして真っ直ぐに俺を見た。<br><br><br><br>「九重君。貴方、私のことを憶えているかしら?」<br><br>「? 最近は何かと呼び出されているので良く会っていると思うんですけど」<br><br>「そうではありません。小学生の頃に私達は出会っているの」<br><br>「小学生ですか? あ、そっか。そういえば結婚の約束をしていましたね!」<br><br>「嘘おっしゃい! 捏造しないでくれるかしら!? 違いますからね。何を言ってるの貴方。揶揄うんじゃありません!」<br><br><br><br> テンプレが外れてしまった。しかし小学生の頃と言われても全く記憶にない。昔からロクでもない
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